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大学生がインターンに来てくれました

少し報告が遅くなりましたが、今年の8〜9月に3名の大学生(東大生2名、大阪国際大生1名)が公営塾でインターンをしてくれました。

塾の生徒たちの勉強を見てくれたり、親身になって進路相談に乗ってくれたり、大学生活の話をしてくれたりと、普段島にいると接することの極めて少ない大学生(年齢の近い先輩たち)とともに過ごした約3週間は、塾の生徒にとって、宝物のような楽しく学びの多い時間になったと思います。

大学生の皆さん、本当にありがとうございました。


最後に、大学生の皆様が感想を寄せてくれたので、こちらで紹介いたしますね。


※インターンの大学生、そして卒塾生の上野くん、玉城くんも後輩たちのためにプレゼンをしてくれました。


1.湯川さん(東大4年生)

今回のインターンでは主に、高校生たちの小論文や志望理由の指導のほか、自分自身の経験や将来の夢について全体にお話しさせて頂きました。出会った高校生は皆真剣に話を聞いてくれ、また同じように真剣に夢を語ってくれました。やりたいことも特にないまま流されていまの大学に入った自分にとって、仲間と切磋琢磨しながら、彼らなりのやり方で自らの「やりたい」に突き進む高校生と交流することは、とても大きな刺激になりましたし、また勇気付けられました。

そしてむしろそこに触発されたからこそ、彼らの「やりたい」を阻む周りの環境についても深く考えさせられました。そこには地理的な条件はもちろん、島の文化や政治や経済や産業、教育や行政のあり方、さらには島と内地、地方と東京の関係など、多くのものごとが複雑に絡み合っていることが見てとれました。しかしこの島で私は、こうした現状を少しでも変えたいと手を差し伸べ、行動を起こし続ける大人の方々にもまた巡り会いました。「複雑さ」を前に立ち尽くすことなく、いまある最善の道に1mmでも進み続けること。その重要さもまた教わった気がしています。

帰りの飛行機を待つ空港の中で、最後に考えたことがありました。石垣島は年中温暖で住みやすく、観光資源は申し分ないほどあり、人口もしばらくは増加傾向にあります。しかし抱える課題は、ほかの地域と同じぐらいーあるいはもっとー深刻です。「地方はいま◯◯という現状にある。だから◯◯しなければならない」。そう語る人々の「地方」に、この島は含まれているのでしょうか。「地方」をめぐる発言や論考や政策の中に、この島のことを考えてなされたものはどれだけあったでしょうか。「地方」に携わる仕事がしたいと考えている自分にとって、この島で見たこと、聞いたこと、考えたことは、この先もずっと忘れてはいけないものだと思っています。



2.新城さん(大阪国際大2年生)

キラキラとした瞳で自分のやりたいことを語る石垣島の高校生たち。その表情に圧倒されつつも励まされた3週間でした。

私は8月20日から3週間、石垣市公営塾のAO推薦クラスで小論文添削や面接指導、高校生たちが現在手掛けているアイランダーサミットのプロジェクトのサポートを行いました。私は石垣島出身で八重山高校を卒業後、現在は大阪国際大学で英語教員を目指し勉強をしています。今回は夏休みの帰省を兼ねて、将来八重山で教育に携わるために教育現場の現状を知り、今後の学びに繋げたいと思い、公営塾でボランティアをさせていただきました。高校生との交流や講師の方々とのミーティングを通して毎日新たな気づきや学びがあり、特に指導者のあり方、自分の将来のビジョンについて考えさせられました。面接練習や個人面談の際、生徒が感じている悩みにじっと耳を傾け、生徒自身がどうしたいのかを引き出し、自分に迷いがあるときには年齢や立場に関わらず、私たちボランティア学生だけでなく高校生にもアドバイスを求める住吉さん。溢れる八重山愛とともに丁寧に、そして優しく学習指導をする谷上先生。指導者でありながらも時にはみんなのお父さんのような2人には私に足りない「何か」を教えていただきました。その「何か」を探し求め、また大学で様々な経験を積みたいと感じています。

また、今回の公営塾ボランティアで出会った高校生の表情を見たり、やりたいことを聞いたりしていく中で、改めて私自身の将来やりたいことが明確になりました。現在興味がある英語教育とIT、そして大好きな演劇をかけ合わせ、新たな教育の方法、システムを作りたい。その目標に向かって楽しみながら貪欲に日々学びたいと思います。今回このような貴重な経験をさせていただいた公営塾の皆様、そして私の目標をさらに大きくしてくれた島の高校生たちに感謝しています。ありがとうございました。



3.持田さん(東大1年生)

「島の子たちってどんな印象ですか?」約3週間の活動の中でたくさんの人に何度もこう質問されましたが、なかなか上手く答えられませんでした。なぜなら、島の子たちひとりひとりがユニークで、彼らの全体像をまとめて言い表すことができなかったからです。シャイで純粋で人情深いといった一般的な島の人のイメージが生徒たち全員にあてはまるはずがありませんでした。しかし、活動を終えた今改めて考えてみると、島の子たちに共通するものは確かにあるのではないかと感じます。そしてそれを言葉で言い表すとするならば、芯の強さです。彼らの議論や将来の目標を聞いたりする中で、各々の言葉が他者の主張に無理やり引きずられて生まれるのではなく、主体性を持った意志のもとに生まれてくることを強く感じ、素敵だなと思いました。

一方で、島の教育における課題も見つかりました。まず、金銭的な問題から十分な教育を受ける余裕のない子供が多いことが挙げられます。現地の生徒から、学習塾に通う生徒はごく少数で、希望の高校や大学に金銭的な問題で行けない生徒が多いという話を聞きました。また、島に特有の問題として、子供のロールモデルとなる大人や先輩が少ないということが挙げられます。こうした問題が子供たちの選択の幅を狭めている現状を改善しなければならないと、活動を通じて強く実感しました。

島の教育における課題を踏まえたうえで、実社会で活躍する大人や現役の大学生との交流の機会を提供し、生徒の意志を尊重して自律的行動を促そうという公営塾の活動は、子供たちの可能性を大きく広げることができるものだと改めて思います。短い期間でしたが、このような素敵な公営塾の活動に携わることができ、感謝しています。私は生徒たちとの交流を通して多くのことを学び、自分自身の視野を広げることができたと感じていますが、彼らも少しでもそう感じてくれていたら嬉しいです。





本当にありがとうございました!また是非石垣島に来てくださいね。

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